※この記事は3部構成の「2章の記事」になります。次の記事に進むリンクは記事の最後にご案内しています。順番にお読みいただく事で、スキルをベースアップできるような構成になっています。
【1章】無意識に抑え込んでいる潜在能力を開放する「メタ習慣」
【2章】メタ認知強化の習慣化「サルベージ・ルーティン」(この記事)
【3章】ストレスや人生の堂々巡りの原因を根底から改善する技術「SBTメソッド」
サルベージ・ルーティン
サルベージ(salvage)とは、もともと「沈没船の引き上げ」「遭難した船の貨物救助」などの意味を持つ言葉です。 IT業界では「データを引き上げる」、つまり不具合でデータを読み込めなくなった記憶媒体からデータを取り出す作業のことを指します。 同じ意味を表す言葉として「データ復旧」「データ復元」などがあります。
当メソッドでは、「心の奥深くに眠る人生の根底に影響する思考パターン」を「掘り起こす」という意味で「サルベージ」という言葉を使っています!
まるでそれは「沈没船に眠った」「宝箱」を引き上げる作業であるからです(*^^*)
「認知行動療法」と「認知再構成」を知る
「認知行動療法」と「認知再構成」というのは、一般的にも知られている方法ですが、その先にある根本原因までフォローするには、医者やセラピストといった他人の力を借りるだけではどうしても上辺だけの改善に留まり、すぐに元に戻ってしまいます。当メソッドでは、
自らの力で、根本的な変化を起こす方法
についてお話します。とはいえ、まずは基本知識は必要ですので少しお時間をくださいね。
人間の心の働きは、
「認知」「行動」「体の感覚」「感情」
という4つの要素として分けられます。しかし、この4つを同時に扱おうとすると、各の要素は複雑に絡み合っているのでややこしいんです。
そこで、「体の感覚」や「感情」というのは、なかなか意識的には変えにくいので、変えやすい「認知(考え方)」や「行動」を調整していくのが「認知行動療法」です。
調整をしやすい
「認知」「行動」
にフォーカスすることで、心の動き全体の改善を図っていきます。
この「認知行動療法」における「認知」の部分の再構成を行う技術が
「認知再構成」
で、「認知」が変われば、「行動」も自然に変わります。
「認知再構成」は大きく2つの段階で取り組みます。
【段階1】自分の考え方の癖を知る
【段階2】意識的に別の見方や別の考え方をする
という順番になります。これが「メタ認知能力」を高めていく上での、日々のルーティンになります。次からそれぞれの段階について具体的に説明しますね。
段階1:自分の考えの癖を知る
段階1は、自分の考える癖を知ることです。
<コップの水の話>
よくある話として、コップの水の話があります。半分水が入っているコップを見て、
これを半分しか「ない」と捉えるか、
半分も「ある」と捉えるか、
というように、物事の見方(癖)によっては、解釈が変わって来ます。メタ認知能力が高まると、こういった物事の捉え方をコントロールできるようになります。
<出来事→認知→解釈の3段階の流れ>
ある「出来事」から、それに対する「考え方」、そして「解釈」に至る流れとして3段階に分けられます。これには各個人の「癖」があります。この考えの「癖」は、個人差が非常に大きく、もし同じ出来事が起こっても、どういう風にそれを解釈するかで「気分」が変わってきます。
【具体的な練習方法】
自分の感情が動いた出来事のその場面でどういう考えが浮かんだか、どのように捉えたかを繰り返し見ていくというのが一番大切な練習になります。
最初は慣れないし、自分の考えだと思っていた多くの考えや発想が潜在意識の「自動思考」によるものである(100%ではありません)という事に戸惑うかと思いますが、慣れてくると、いちいち感情に振り回されなくて済むようになりますし、常に心が落ち着いた状態でいられる様になります。
繰り返し見ていくとバランスが取れていて、「気分」の良い時もありますが、時としてちょっと「癖」があることがあります。癖があるときというのは、「怒り」「哀しみ」「不満」のように「ネガティブ」な気分ということです。
「喜び」や「楽しみ」についても癖はあるのですが、まずは「怒り」や「哀しみ」について調整していく事が、メタ認知能力を高める目的として先決ですよね?
①「怒り」「悲しみ」や「不満」といった、嫌な気持ち、ネガティブな気持ちになった時に、それは「自動思考である」という事をできる限り意識して、見つめてみます。
②「コップの水の話」のように見方が変えられないか試してみましょう。可能であれば、「なぜ?」を繰り返して深掘りしてみましょう。
無理をする必要はないです。できる範囲でコツコツです。この2ステップを継続するだけでも、自分が変わっていきます。
例えば、鏡を見てちょっと髪型を乱れていたら修正するように、ちょっと考えに癖があったら、
「ちょっとここは修正しよう」
という風にして修正していくということです。
とにかく継続する事です。忘れていたら思い出して、また継続する事です。必ず意識が変わっていきますので、あきらめずに、そして、できる範囲で取り組んでください。
これが習慣化できた時、変化が起こり始めます(*^^*)
ただし、どうしても
「癖が根強い・根深い時」
は、なかなかこれだけでは難しい場合があるので、その時は「段階2」に入っていきますが、実はこれは大きく変わるチャンスでもあるんです。
段階2:意識的に別の視点を取る
段階2について見ていきます。それは、
「意識的に別の視点で見る」
ということです。
どうしても癖を見て修正を図るだけでは難しい時には、意識的に視点を変える、意識的に別の見方を取るという必要があります。方法としては大きく言うと今回3つ挙げます。
①理詰めで考える、根拠と逆の根拠を見るという方法
②あの人ならどうするか、人により視点を変えるという方法
③一歩引いてみる。いわゆるメタ認知的に考える【これが重要】
※その場で必ず取り組む必要はありません。メモをしておいて、とか、そういえば今日こんなことがあったなあとか、ゆっくり出来るときにでも取り組んでみましょう。結論にたどり着く必要もありません。これ以上深堀り出来ないと思ったら、そこで止めても構いません。
思い出したらやってみる。忘れていたら、思い出してまたやってみる。徐々に徐々に、上手になります。
①理詰めで考える、根拠と逆の根拠を見るという方法
まずは根拠と逆の根拠を見るということですが、その癖になっている考えの「それは正しいという根拠」と「そうじゃないという根拠」の両方を見て、その上で別の考えを探していきます。こう言った事は、その場で瞬時にとはいかないので、メモを取って、自宅に帰ってじっくり取り組んでみて下さい。
例を挙げます。
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隣の人は不機嫌にしている。自分が悪いことをしたんじゃないかと思って罪悪感が出るという場合。
この時に根拠としては、例えばですが、前にもちょっと嫌なことをしてしまって、不機嫌にさせることがあったという経験があり、今回もそうじゃないかという考えに至っているのかもしれません。
ただ、逆に、逆の根拠としては別に、今回はそのときとは違うということ、今回特に何もしていないと。その人は別の原因で悩んでいる可能性もある。
こう捉えると、確かに自分が悪い可能性もゼロではないけれども、他の可能性も十分にあり得る。
と考えれば、
「罪悪感が減ってくる」
という事です。
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②あの人ならどうするか、人により視点を変えるという方
2つ目のやり方としては、あの人ならどうするかという視点で見る事です。あたり前ですが、私たちは無意識ですが、自分の視点で見る癖がついています。そこを、意識的に視点を変えていくということです。
例えばですが、
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先ほどの隣の人は不機嫌にして、自分は悪いことをしたからしょうがないと思った時、そういう質問を部下から受けたらどう答えますか?
そうすると、案外、
「いや、それは別に関係ないんじゃないの?」
とアドバイスすることもあります。
視点を変えると、案外自然な答えが出てきたりするということです。
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他の例としては、もし他の人は、あの人だったら、どう考えるか人によって視点が変わってきます。
あとは自分自身で見るならば、体調がいい時ならどうか?という視点でも見る事ができます。
③一歩引いてみる。いわゆるメタ認知的に考える【これが重要】
3つ目としては、(これこそが一番重要です)
一歩引いてみるということです。さっきの視点切り替えの延長ですが、一歩引いて全体像で見てみたらどうか。これを専門用語で「メタ認知」と言います、ちょっと自分を俯瞰で見てみるということです。
具体的に見ていくと、
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先ほどの場面で、隣の人は不機嫌にしていて、ご自身がいて一歩引いて見てみます。すると特に隣にいるご自身は何もしていないんだけれども、相手がイライラしてると。これはあんまり関係ないだろうというのがちょっと一歩引いてみると見えてきます。
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メタ認知の脳内イメージ
メタ認知の、体感としての掴み方を図解でご説明します。
上図から、三つの要素と働き・体感は
①顕在意識(理性・自意識)
②潜在意識(無意識)
③自動反応
見た・聞いた・触った物事に対して、潜在意識(主に原始の脳)が瞬時に判断を下して、他の部分に働きかけます。主な動きとしては、
①顕在意識への直接の働きかけ(考え違和感や頭が重くなったり痛くなったりします)
②胸が苦しくなる(心臓やその周辺の神経などに違和感や時には痛みを感じます)
③みぞおちや胃が重い・キリキリと痛い
メタ認知のレベル(習得度)が上がってくると、頭の前の部分(顕在意識)と後頭部の部分(潜在意識)の感覚的な切り分けが出来るようになってきます。そうすると、
「自動反応」がもう一人の自分からのメッセージのような感覚
として捉えられるようになります。この感覚がつかめる様になると、
「自動思考」から発せられるメッセージに対して、どういった行動を取るかを選択できるようになります。それは、感情的な行動ではなく、客観的に考えて適切と思える「行動」や「発言」、あるいは、「何もしない」という事も選択が可能になり、
「自動思考」に振り回されることが無くなります。
これがとても重要で、日々の「体の疲れ」とは別の、
「心の疲れ」が徐々に少なくなっていきます。
これは、1日過ごした後、例えば仕事が終わって帰宅したときなどの夜の時間にふと気づきます。
「あれ?なんか精神的に疲れてないな」
と。
「アンガーマネジメント」という分野は「怒り」にフォーカスして、コントロールしようという試みですが、当メソッドは、
加えて「悲しみ」や「喜び」「楽しみ」というあらゆる感情に対して主導権を取り戻します。
潜在意識へ深く問いかける例
車の運転中を例にしてみますね(*^^*)
①車の運転中、前を走る車が交差点を曲がるときに、「イラっ」とした。なぜだろう?
②曲がるギリギリまでウィンカーを出さなかったよこの車!「イラっ」なぜだろう?
③周囲の車に早めに合図を送ってあげないと、危ないじゃないか!「イラっ」なぜだろう?
④交通ルールはみんなが安全に車を運転するためにあるんだぞ!「イラっ」なぜだろう?
⑤事故を起こさないため、自分にも相手にとってもみんなにとっても大切な事なんだよ!「イラっ」なぜだろう?
⑥この人(前の車の運転手)は交通ルールが何のためにあるのか考えてないぞ!「イラっ」なぜだろう?
⑦物事について深く考えてない人なんだな!
【結論】そうか僕(潜在意識)は「物事について深く考えない事は間違っている」と思ってるんだな!
と、この「なぜだろう?」と繰り返し自分に問いかけることが基本となります。
(では、深く考える事は正しいのか?というと、そうではありません。「深く考える」という事は「考えすぎ」という裏側があります。「深く考えない」というのは「執着がない」という裏側があります。詳しくは後で説明する「二元性」で紐解きますね)
最初は、感覚をつかむまで少し苦労するかもしれませんが、慣れていくと習慣になり、
呼吸をするように自然と取り組めるようになります(*^^*)
「根本原因」が分かったら、その出来事に対する気持ちや解釈を調整します。ここが重要ですが、それは後程の記事で詳しくお伝えしますね。
少しずつ、少しずつです。その積み重ねで「メタ認知能力」が高まっていきます。そして、
ある日突然、視界が開けます。
なるほど~
という感じです。
具体的にどんな視界が広がるかは、それぞれの経験や抱えている問題点によるものなので、「こうなる」をいう事は言えませんが、一つ言えるのは、
より多く、より大きな苦労や悩みを抱えてきた人ほど、その効果が大きいです。
楽しみにしていてくださいね。
サルベージ(宝探し)のコツ
この認知再構成、実践のコツというと、大きく2つです。重複になりますが、大切な事なので、ここでもお伝えしておきます。
①完全主義になり過ぎない
どうしても厳密にどう考えてとか、あと感情がどのぐらい動いたかを深刻に考えてしまったりすると、確かに正確ではあるんですけど、非常に疲れます。そうすると、
「何か疲れるからやめてしまう」
となってしまいます。そうなると、中々習慣化しないということになりますので、あまり完全主義になり過ぎないことをおすすめします。
②繰り返しやっていく
逆に少しアバウトでもいいので、繰り返し自分のどう考えたかを見ていく。そういう風にしていくと、習慣化しやすいです。
この習慣化が、「メタ認知能力」をぐっと高めるために必要な「あるもの」を発見するための、あなたの武器となります。
忘れないで下さい。
「武器」
です。「技術」「技」「能力(スキル)」と言ってもいいと思います。
では、必要な「あるもの」とは何か?
それは、
「スタートブロック」(*^^*)
です。これが
メタ認知能力をを高め、人生を好転するための鍵となります。
【3章】ストレスや人生の堂々巡りの原因を根底から改善する技術「SBTメソッド」
幼少期(特に1~6歳頃)のの経験や出来事から作られた、あなたの癖(性格・考え方)の元になる価値観を、「スタートブロック(SB)」と言います。
(※「スタートブロック」は大人になって生まれることもあります。)
「スタートブロック」とは、ドミノ倒しの最初の一個の事です。あなたの癖は、その「スタートブロック」に始まり、ドミノのように連鎖して出来上がっています。
「SBT」は、そのあなたの「根っこ」である「スタートブロック」を調整することで、ドミノ倒しのように一気に人生を好転させます。
下記の記事で、ご説明しています。興味のある方はぜひご覧ください(*^^*)b
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